断熱障子でつくる奥行きと居心地

鷺宮の家

断熱性能が高くない中古住宅を改修する。断熱性や気密性をあげるために木と布で断熱障子の製作をすることで、断熱性能の向上とともに、やわらかく光を拡散する。障子の開け閉めという日常的な所作によって、季節や天候の移り変わりを感じられる家を目指した。

「鷺宮の家」は、築30年の木造2階建ての住宅。もとは壁も窓も断熱性能は高くありませんでした。そこで、壁天井床には断熱材を入れ、窓には障子を入れて2重にしました。通常は既製のインナーサッシを入れて高断熱高気密化することが多いですが、素材の特性上味気なく、開閉することも手間になってしまいますが、木製で布でつくることで断熱性能の向上とともに、やわらかく光を拡散します。例えば、冬季の日中には窓は閉め、日光の暖かさを取り込み、夜になると障子も閉めることで日中蓄えた熱を室内に閉じ込めたり、中間期には縁側のように内外をつなげる場所にもなります。障子の開け閉めという日常的な所作によって、季節や天候の移り変わりを感じられる家です。

施設名|鷺宮の家
所在地|東京都中野区
用途|住宅
竣工|2019年
種別|改修
構造|木造
敷地面積|144.48m2
建築面積|59.70m2
延床面積|107.40m2

売主|株式会社リビタ
施工|(株)NENGO
撮影|高橋菜生、株式会社リビタ
意匠設計|junpei nousaku architects
能作淳平 菊池悠伽